沖縄移住そして定住・または本州に戻る
沖縄移住の話は今に始まったことではありません。昔から、本州から沖縄に移住される方々は沢山います。ただ、私が幼少期よりは確実に移住者の質が違っているのは間違いないです。
私が幼少期(1980年代)の本州からの移住者の方々のタイプは概ね以下の二パターンでした。
1. 転勤族(特に国家公務員)
2. 本州で失敗して逃げてきた人(笑)
だから何、って話ですが私が少年剣道道場に通っていたころ国家公務員のお子様たち、「佐藤」とか「野木」とか「小林」っていう名の身体の大きな高学年の子たちからいっぱいビンタされたり小手を強くたたかれたり、面の脳天からつよーく竹刀を打ち込まれたりした楽しい思い出があるのでよく覚えています(笑)。
そして当時の沖縄は本当に発展途上の47番目最下位の貧乏県として君臨していたので、
まあ、しゃーないですね下に見られていても。あれはあれで良い時代だったと思いますが。
当時、本州の人に馬鹿にされても仕方なかった事
・テレビが民法2つ(ホントよく言われました)
・よく断水(ダムが足りてなかった)
・ラーメン屋が無い
・沖縄そばは蕎麦ではない(いわゆるそば粉の蕎麦がない、沖縄そばはうどんだ!と強く主張する本州の方々多数)
・飯がまずい(特にお米は「自主流通米デイゴ、という古古米」
・標準語が下手
・学力が低い
・常識が無い(私は沖縄は東南アジアに近いと思ってます。東南アジアに近い風土文化の日本の県があってもいいじゃないか!と思うのですが、画一的なレベルをお求めになるスクエアな人々は許せないそうです)
しかし、ここ最近は沖縄の格が上がってきている!(笑)のが如実に感じられます。
やはりテレビの影響もありますが、長年修学旅行を誘致してきた沖縄県の努力のたまものでもあります。修学旅行で沖縄を気に入ってくれた子供達が成長して、また沖縄を移住の地として選んでくれているのです。非常に嬉しいことです。さらに今のZ世代の若者の「心」が自然と沖縄とリンクしているのです。そして、これまでジャンク扱いされてきた沖縄の食や文化が自然に受け入れられ高評価されています。そこには沖縄の風土が影響しているかと思います。
1. あくせくしない、のんびりした雰囲気
本州では冬の季節が厳しいので路上寝なんかすると命の危険がありますが、沖縄は
それに当てはまらないゆるさがある。
2. とりあえず優しい
自分に優しい、人に優しい風土。良くも悪くもですが、これでいいと思える場所。
3.やっぱり海
私は基本、本州に学べ、本州の人のアイディアをうんと取り入れろ!派です。
なので移住者の増加は望ましいと考える派です。沖縄の価値を上げるのは我々うちなーんちゅの力だけでは圧倒的に不足で、本州の方々と共に発展するのが一番だと信じます。
ただ、沖縄人は圧倒的に本州人とは違うのは当然であることをいまだ理解できない移住者がいて、沖縄を離れる理由に挙げられるのが寂しいです。
私が移住者の方々に伝えたいのは
「沖縄はあなた方が生まれる前から『沖縄』だよ」
って事です。移住者が馴染める馴染めないなんて本当は我々うちなーんちゅには関係ないのです。うちなーはうちなーでしかないのです。やっかいなのは、移住者の一部に自分たち本州の常識を強制的にあてはめ自分の都合の良い「矯正」をしようとした人たちがいる、もしくはいたって事です。
1. エイサーがうるさい、やめさせろ
私が20年前に勤務していた警察署に、本当に通報がありました。私は当直で指令室で
その通報を受けたとき、ハッキリ言いました。
「エイサーは沖縄の文化です。あなたが来る前からある文化です。でも、夜中であなたのお子さんが眠れないってことは良く理解しました。パトカーを派遣してエイサーをやっている青年に移動するよう注意します。ただ、沖縄の文化もご理解願います。」
と真剣に伝えました。いまだったらSNSで私は叩かれてクビですね(笑)。
本音はエイサーやってる青年団に警察が止めろなんて言わせたくなかったです。彼らが仕事を終えてから集まり、日々練習しているのを知っているからです。先祖崇拝の大切な文化を否定された気分になった、若気の私でした(笑)。いまだったら違いますよ。
2,離島のゴミ処理場問題
とある離島で、人口増加のためゴミ処理場を建てる案がでました。人口増加は移住者の増加です。それを真っ向反対したのが移住者の区長さんでした。自然派の移住者区長さんが先頭に立ち、見事、ゴミ処理場の建設案は無くなりました。そして何故か自然派移住区長さんは区長を辞めてその島から地元に帰りました。残ったゴミ処理問題を残して。
すみません、「郷にいては郷に従え」って言葉はどの国の言葉でしたっけ。
ポイントは馴染む、馴染まないはその人個人の問題で、もともといる人間や風土文化のせいにするのは違うと思います。
私からすれば、「あうんだったら楽しく過ごせばいいし、あわないんだったら静かに帰ればばいい」事です。ことさら特別なように「移住失敗」とか「成功」とか承認意欲に則って出すようなことではないですよ。 ただの人生の一ページです。
JICAの同僚の言葉
うちなーんちゅは、「ないちゃー(内地の人)」とか「本土」とかいう言葉を普通に使います。
私がフィリピンでJICAの同僚(同僚と言っても静岡県庁の部長級の方)に「内地の人は~」と話ていると、この部長級の方が「ながちゃ~ん、その『内地って』言い方やめてよ(怒)
なんかこっちが(内地の人が)差別されてるみたいじゃん!」と言われました。そこでつかさず反論。
ながちゃん:「いや、戦前に『内地』『外地』って区別してたのは日本兵の方々だし、その言葉を持ってきたのも日本兵じゃないですか(笑)」
部長:「もう昔のことじゃん!なんか『内地の人』とか言われると寂しいんだよ!」
なるほど~。時代はここまで来たかと実感しました。実はもう本州の人は沖縄区別なんてほとんどしてなくて、我々うちなーんちゅだけがニブく遅れてたと認識したのと同時に、部長級の先輩の暖かい心を感じました。そこで、
ながちゃん:「それじゃあ何と言ったらいいんですか」
部長:「そうだな、どうしてっもって言うなら『本州の人』かな。それも嫌だけど」
と、言われ私は 2018年から「内地」という言葉使いを止め、「本州の人」と使うようになりました。
沖縄と本州とは圧倒的な地理的要因の違いと、文化風土の違いがあります。相互理解して、お互いを尊重し、沖縄の迎える側は優しく「来るもの拒まず、去る者追わず(笑)」で対応し、
去る側も「立つ鳥跡を濁さず」でさらっと戻ってもらいたいです。
結論は、お互い変な「カルマ」を作らない、です。